会えない時間が愛育てるのさ‏

七夕の夕暮れ。
 






















夕焼けと夜空が混じりあう刹那を切り取る。

























切ない色してる。

会えない彦星と織姫の
切なさの色。
 

「もうすぐ会える？」


でも
零れ落ちそうな雨雲が
天に架かる恋路の川を隠す。

空を濡らすのは
雨ですか。
会えない2人の涙ですか。

滲みこむ

乾ききった土に水をやると、

"パチパチ"

弾けるような音がする。


渇望した水を得た土の
歓喜の音がする。

音楽室の 窓から桜

今日、吹き荒れた強風で
ほとんどの花弁は
空へと運ばれてしまった。


早送りのように
咲き、そして去っていった今年の桜。
残ったのは儚い淡紅色の記憶。

華と雪と百葉箱

「あ、雪だ・・・」

夏の終わり

こうべを垂れる花の太陽。
夏の残り香を幾つもの胤にこめて。
大地に眼を向けるのは未来に在るだろう仔への想いからだろうか。 

もうすぐ彼らにまた会える。
太陽のような顔をした、彼らに。

ここの花火は時間にルーズ

頭上を照らす火花とか心臓を抉る音とか鼻を掠める火薬のにおいとかゆっくり空を舞う毛虫みたいなアレとか水面を覆うアレとか少なすぎる屋台とか商店街の交通規制とか路上に出された机とか浴衣姿に目を奪われたりだとか「たまやー」を連呼する男の子とか「腋が痒い」とか言っちゃう女の子とか帰り道の渋滞とか横にいる仲間たちとか。そんな夏ももうすぐ終わり。

夏、太陽、向日葵。

夏を切りとる。















































写真っていうのはね、
景色とキスをしてるんだよ。

地図記号「〃」

裸足で田んぼに入った。
たぶん初めての経験。

ぬるっとした感触を足裏に、甲に、臑に。
きっと初めての感触。

ゆっくりと沈む身体。
泥に包まれる足。
あったかい。
大地ってあったかい。


少し腰を屈めて見渡してみる。
果てしなく広がる青。
青々とした稲の海。

この青さを
この町を覆う稲の
どこまでも続く青さを
ずっと目に焼き付けておこうと思う。

いちご

路傍の一期一会

アスファルトを蹴り飛ばして退屈な夜にドロップキックしたつもり

夕立ちが駐車場のアスファルトをぬらす。
あ、
あのにおいがした。
ふりはじめの雨の、あのにおい。
雨のにおい？アスファルトのにおい？土ぼこりの？
なんで、
懐かしい
と思わせるんだろう、あのにおいは。

そんなことを
静寂の中で静かに想える
そんなのどかな田舎というここは
やっぱいい。